キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
「えっと……家の近くの、徒歩5分くらいのところ、です」
『サリーちゃんの家って南中の近くだったよな。迎えに行くから待ってて』
「え?どうしてですか?」
『あのね……女の子1人は危ないからね』
あ……心配をしてくれたのか。
家とコンビニを繋ぐのは大通り。
車も通っているし、電灯で明るいから大丈夫だと思ったけど……。
「日南先輩、近くにいるんですか?」
『うん、わりと近い』
日南先輩の名前を出した、その時────
「あんた、日南の知り合い?」
他校の制服を着た奇抜な4人組の男子に声をかけられた。
「もしかして、その電話の相手、日南?ちょっと貸せ」
「えっ……!」
耳に当てていたスマホを取られてしまった。
……だ、だれ。この人たち。
「おーい、日南。お前、深見呼んで来いよ。……あ?断ったらこの女どうすっかわかんねぇぞ」
その言葉に背筋が寒くなる。
……逃げなきゃ。