ちょうどいいので結婚します
結婚に現実味を帯びてくると怖気づいたのだろうか。
功至はここ最近の千幸の態度を思い返していた。職場でも仕事以外は話さない。元々最初の頃は、そうであったがこれはその限りでは無かった。何か心情の変化があったのだろう。変化、なのか、最初から乗り気ではなかったのか。
功至はハッと思い立って父親の勇太郎に連絡を取り、会うことになった。
「功至、千幸ちゃんとのことは順調か?」
期待たっぷりの目で尋ねられ、功至は思い留まった。まだ、雲行きが怪しくなったなどとは言わない方がよさそうだった。
「あ、ああ。なかなか日が決まらなくて。向こうのご両親に挨拶に行くにも年末年始挟むだろ? 年明け落ち着いてからと思ってたら、どんどん遅くなってしまって……」
「いや、家族になるのだから年末年始に挨拶でいいじゃないか。めでたい事なんだし。俺から愛ちゃんに聞いておこう。なぁに、そんな気負う必要はない。俺と愛ちゃんは《《唯一無二の》》戦友だからな」
功至は親友から戦友に変わっていることに苦笑いした。本来なら年末年始であろうと話が進むのは嬉しいはずなのに、進めていいのか複雑な心境だった。
「それより、どうしたんだ。話でもあるんじゃないのか?」
「あ……いや、俺たちの結婚ってどうやって決まったんだ?」
勇太郎の顔が訝し気に歪んだ。
「何か問題でもあるのか?」
「いや、感謝してる。むちゃくちゃ有難い。ただ聞きたかっただけだ」
有難いというのは紛れもなく功至の本心だった。それを聞くと勇太郎の顔も緩んだ。
功至はここ最近の千幸の態度を思い返していた。職場でも仕事以外は話さない。元々最初の頃は、そうであったがこれはその限りでは無かった。何か心情の変化があったのだろう。変化、なのか、最初から乗り気ではなかったのか。
功至はハッと思い立って父親の勇太郎に連絡を取り、会うことになった。
「功至、千幸ちゃんとのことは順調か?」
期待たっぷりの目で尋ねられ、功至は思い留まった。まだ、雲行きが怪しくなったなどとは言わない方がよさそうだった。
「あ、ああ。なかなか日が決まらなくて。向こうのご両親に挨拶に行くにも年末年始挟むだろ? 年明け落ち着いてからと思ってたら、どんどん遅くなってしまって……」
「いや、家族になるのだから年末年始に挨拶でいいじゃないか。めでたい事なんだし。俺から愛ちゃんに聞いておこう。なぁに、そんな気負う必要はない。俺と愛ちゃんは《《唯一無二の》》戦友だからな」
功至は親友から戦友に変わっていることに苦笑いした。本来なら年末年始であろうと話が進むのは嬉しいはずなのに、進めていいのか複雑な心境だった。
「それより、どうしたんだ。話でもあるんじゃないのか?」
「あ……いや、俺たちの結婚ってどうやって決まったんだ?」
勇太郎の顔が訝し気に歪んだ。
「何か問題でもあるのか?」
「いや、感謝してる。むちゃくちゃ有難い。ただ聞きたかっただけだ」
有難いというのは紛れもなく功至の本心だった。それを聞くと勇太郎の顔も緩んだ。