ちょうどいいので結婚します
結婚へのスケジュールは、当初の計画よりやや遅れた。焦る必要がなくなったからだ。
二人の関係は……。一進一退といったところだろうか。
「私、また変な事を言ってしまって!」
「だ、大丈夫だよ。千幸ちゃん! 俺も同じこと考えてたし。あるある。よくあるよ!」
羞恥から真っ赤をこえて青くなった千幸を功至が必死で慰める。かと思えば、またある日は
「はあ、俺、それ嫌だって言ったよね?」
「だって、ウェディングドレスって全部背中開いてるんだもの」
「他の男も見るんだぞ? 無理無理。却下。ああ、待って。脱ぐ前に……」
カメラが連写する音が聞こえた。
「じゃあ、こっちはどう?」
「うーん、腕出過ぎじゃね?」
「もう! 腕は全部出てるってば! 功至さん、前にウェディングドレスはどれでも良いって言った!」
「そりゃ、どれも似合うんだから、どれでもいいさ」
と、真顔でのたまう新郎(予定)にスタッフは苦笑いしている。
「そっち!? じゃあ、どれでもいいでしょ!」
「ちーちゃん、式、二人だけで挙げない? 」
「もう! さっきから同じことばかり言って! 全然進まないでしょ!」
好き勝手言い合うこともあった。
千幸は功至の隣で緊張で身体を強張らせることもあったが、気を許してししゃもを頭からかぶりつくこともあった。とにかく、緊張しても、しなくても、ずっと一緒に過ごしていた。お互いがそう望んだからだ。
二人の関係は……。一進一退といったところだろうか。
「私、また変な事を言ってしまって!」
「だ、大丈夫だよ。千幸ちゃん! 俺も同じこと考えてたし。あるある。よくあるよ!」
羞恥から真っ赤をこえて青くなった千幸を功至が必死で慰める。かと思えば、またある日は
「はあ、俺、それ嫌だって言ったよね?」
「だって、ウェディングドレスって全部背中開いてるんだもの」
「他の男も見るんだぞ? 無理無理。却下。ああ、待って。脱ぐ前に……」
カメラが連写する音が聞こえた。
「じゃあ、こっちはどう?」
「うーん、腕出過ぎじゃね?」
「もう! 腕は全部出てるってば! 功至さん、前にウェディングドレスはどれでも良いって言った!」
「そりゃ、どれも似合うんだから、どれでもいいさ」
と、真顔でのたまう新郎(予定)にスタッフは苦笑いしている。
「そっち!? じゃあ、どれでもいいでしょ!」
「ちーちゃん、式、二人だけで挙げない? 」
「もう! さっきから同じことばかり言って! 全然進まないでしょ!」
好き勝手言い合うこともあった。
千幸は功至の隣で緊張で身体を強張らせることもあったが、気を許してししゃもを頭からかぶりつくこともあった。とにかく、緊張しても、しなくても、ずっと一緒に過ごしていた。お互いがそう望んだからだ。