ちょうどいいので結婚します
愛一郎から勇太郎に娘が承諾したとの一報が入った。息子が断られるという想像はしていなかったが、それでも安堵のため息を吐いた。まずは少し前進したのだ。
息子に面識があり、かつ金に困っていない。さらにそこに甘えず自分で稼ごうという志もある。素晴らしい相手じゃないか。
以前、功至にさりげなく千幸について尋ねたことがあった。かなり褒めていたことから印象は良いのだろう。だが結婚となると、どうだろうかと不安は過るが、あとは祈るばかりだった。
──後日。
功至を食事に呼び出した。世間話から始め、独立への進捗を聞くがそちらもまだ準備段階の様だった。んんっと咳払いして本題に入った。
「ところで、お前はもう決まった女性はいるのか?」
そう聞くと和やかな雰囲気が一変した。
「何度聞いても同じだよ。俺はまだ結婚する気はない。ましてや見合いなんて……」
「いや。今回は見合いではなくて、だな」
「見合いでない? じゃあ何なんだよ」
功至はため息まじりに言う。
「お前は、小宮山千幸さんをどう思う?」
「……どう、って……」
功至は持っていた箸が落ちかけてたのか慌ててて掴んだ。
「彼女と結婚する気はないか?」
息子の返事を聞く前に、勇太郎は一気に言い切った。
「そんな、向こうの意思も聞かずに勝手な……いや、まさか相手が彼女なのか?」
「そう。お前も知った相手の方がいいかと思ってな」
「……そう言えば、向こうの父親と知り合いだと言っていたな」
「そう、唯一無二の親友だ」
勇太郎は力強く言い切った。愛一郎との関係はもはや同志とも言える。
息子に面識があり、かつ金に困っていない。さらにそこに甘えず自分で稼ごうという志もある。素晴らしい相手じゃないか。
以前、功至にさりげなく千幸について尋ねたことがあった。かなり褒めていたことから印象は良いのだろう。だが結婚となると、どうだろうかと不安は過るが、あとは祈るばかりだった。
──後日。
功至を食事に呼び出した。世間話から始め、独立への進捗を聞くがそちらもまだ準備段階の様だった。んんっと咳払いして本題に入った。
「ところで、お前はもう決まった女性はいるのか?」
そう聞くと和やかな雰囲気が一変した。
「何度聞いても同じだよ。俺はまだ結婚する気はない。ましてや見合いなんて……」
「いや。今回は見合いではなくて、だな」
「見合いでない? じゃあ何なんだよ」
功至はため息まじりに言う。
「お前は、小宮山千幸さんをどう思う?」
「……どう、って……」
功至は持っていた箸が落ちかけてたのか慌ててて掴んだ。
「彼女と結婚する気はないか?」
息子の返事を聞く前に、勇太郎は一気に言い切った。
「そんな、向こうの意思も聞かずに勝手な……いや、まさか相手が彼女なのか?」
「そう。お前も知った相手の方がいいかと思ってな」
「……そう言えば、向こうの父親と知り合いだと言っていたな」
「そう、唯一無二の親友だ」
勇太郎は力強く言い切った。愛一郎との関係はもはや同志とも言える。