ちょうどいいので結婚します
直ぐに二人に共通点がもう一つあることに気がついた。どちらもいつも悩みの種は子供だということだった。
勇太郎にとって息子の功至は自慢の息子ではあった。それは親の欲目を抜いても自慢出来る。外見で女が寄ってくるのはまだいいのだ。かつで自分もそうであったように、金があるともっと良くない女も寄ってくるのだ。独立を前に変な女にそそのかされては困る。
そう思っていた頃、知り合いから娘をどうかといくつか見合い話が来た。良かれと思ったが功至は全部断ってしまった。
自分の娘が断られる思っていなかったのだろう。相手から『まだ落ち着く気がない』やら『引く手あまたで選んでるのでしょう』とか体の良い嫌みを言われる始末。親としてはわからなくもないが、いつの間にか『女癖が悪い』や『交際関係が派手だ』とか自分の娘には欠点はなかったのだという体裁を保ちたかったのだろう。そんな噂を流されて参っていた。
だが、独身でいる限りその繰り返しである。功至の交際関係はそう派手ではないと信じていた。むしろ、不器用なのではないかと思っていた。
家庭を持って独立してくれれば、落ち着いて仕事を軌道に乗せられるのではないか。何より妙な噂など払拭出来るのだ。
金を持ってからの恋愛は疑心暗鬼が伴うだろう。息子にはそうしてほしくなかった。だが、当の本人はいくら結婚の話を持ち出そうとも、のらりくらりとかわすばかりだった。
勇太郎にとって息子の功至は自慢の息子ではあった。それは親の欲目を抜いても自慢出来る。外見で女が寄ってくるのはまだいいのだ。かつで自分もそうであったように、金があるともっと良くない女も寄ってくるのだ。独立を前に変な女にそそのかされては困る。
そう思っていた頃、知り合いから娘をどうかといくつか見合い話が来た。良かれと思ったが功至は全部断ってしまった。
自分の娘が断られる思っていなかったのだろう。相手から『まだ落ち着く気がない』やら『引く手あまたで選んでるのでしょう』とか体の良い嫌みを言われる始末。親としてはわからなくもないが、いつの間にか『女癖が悪い』や『交際関係が派手だ』とか自分の娘には欠点はなかったのだという体裁を保ちたかったのだろう。そんな噂を流されて参っていた。
だが、独身でいる限りその繰り返しである。功至の交際関係はそう派手ではないと信じていた。むしろ、不器用なのではないかと思っていた。
家庭を持って独立してくれれば、落ち着いて仕事を軌道に乗せられるのではないか。何より妙な噂など払拭出来るのだ。
金を持ってからの恋愛は疑心暗鬼が伴うだろう。息子にはそうしてほしくなかった。だが、当の本人はいくら結婚の話を持ち出そうとも、のらりくらりとかわすばかりだった。