ちょうどいいので結婚します
立ち上がった功至はタブレットを持ってため息を吐いた。
気分が悪い。衝動的に責めなくて良かったと思っていた。だが、昨日良一といる所を目撃さえしてなければ、こんな気持ちになることも無かった。……へぇ、あの男と会う時間はあるのに?メッセージの返信の時間から、遅くまで一緒にいたのだろうか。そう思ってしまった。彼とは友人だと千幸も言っていた。四六時中自分の事しか考えるな、なんて言えるわけがない。友人と買い物を楽しむひと時も許せない自分にも嫌気がさしていた。
無理に笑顔を作ると千幸の横へ座った。
案の定、千幸は自分の失態に震えるほど意気消沈していて責めることなど出来るわけもなかった。こんな千幸を見て功至は何も言えなくなった。
笑って欲しいだけなのに。あの男といる時みたいに。
「あ、ほら、結婚準備の流れが載ってますよ。式場はチャペル、神前、人前? へぇ、色々ありますね」
タブレットを千幸に向けると、もう一度涙目で「ごめんなさい」と小さな声で言った。功至はため息がでそうになった。
「いいえ、楽しいです。最初から二人で探せばいいんですから。俺の意見も言いやすいですし」
「言ってください。その方が助かります」
千幸が懇願するように言うと、功至はやっとふっと笑えた。
「そうします」
功至は開き直ってそう言うと、さっさとウェディングドレス特集ページへと移動した。千幸がこれを自分のために着るならいいじゃないか。今は自分の隣にいるのだから。そう思うことにしたのだった。
気分が悪い。衝動的に責めなくて良かったと思っていた。だが、昨日良一といる所を目撃さえしてなければ、こんな気持ちになることも無かった。……へぇ、あの男と会う時間はあるのに?メッセージの返信の時間から、遅くまで一緒にいたのだろうか。そう思ってしまった。彼とは友人だと千幸も言っていた。四六時中自分の事しか考えるな、なんて言えるわけがない。友人と買い物を楽しむひと時も許せない自分にも嫌気がさしていた。
無理に笑顔を作ると千幸の横へ座った。
案の定、千幸は自分の失態に震えるほど意気消沈していて責めることなど出来るわけもなかった。こんな千幸を見て功至は何も言えなくなった。
笑って欲しいだけなのに。あの男といる時みたいに。
「あ、ほら、結婚準備の流れが載ってますよ。式場はチャペル、神前、人前? へぇ、色々ありますね」
タブレットを千幸に向けると、もう一度涙目で「ごめんなさい」と小さな声で言った。功至はため息がでそうになった。
「いいえ、楽しいです。最初から二人で探せばいいんですから。俺の意見も言いやすいですし」
「言ってください。その方が助かります」
千幸が懇願するように言うと、功至はやっとふっと笑えた。
「そうします」
功至は開き直ってそう言うと、さっさとウェディングドレス特集ページへと移動した。千幸がこれを自分のために着るならいいじゃないか。今は自分の隣にいるのだから。そう思うことにしたのだった。