ちょうどいいので結婚します
千幸は名誉挽回とばかりに持参したつまみを功至に説明していた。
「今日の松前漬けは白醤油のもので数の子が琥珀色染まって、さっぱり味付けされて、とてもおいしいんです。生ハムは切り落とし。分厚いのでシンプルなパンに挟んでサンドイッチにしてもおいしいです。その場合はサニーレタスをたっぷり使って、ほんの少しシーザードレッシングをたらしていただきます。スモークチーズでしょう、これも一口サイズで止まらなくなっちゃう。いぶりがっこに素揚げグリンピースは素材そのままの味! 京都原産の聖護院かぶと滋賀県の万木赤かぶ。ラディッシュではなく、赤かぶです。白と赤で縁起がいいかなと思って。どちらも持ってきました。私、この聖護院の千枚漬け、何枚でも食べられます。はぁ、はぁ」
千幸は一気にしゃべり過ぎて肩で息をしていた。喋り終わると、高揚していた気持ちが一気に反対へ振れた。
「す、すみません、ベラベラと」
千幸はまた泣きそうになった。どうして功至ににはいつも以上にうまく出来ないのだろうか。頭に血が上るか、血の気が引くか、どちらかの状態以外で過ごせないものだろうか。
「いえいえ、一生懸命、得意げに喋ってるの、可愛かったです」
功至の言動もおかしいが、それに気づけるほど功至も千幸も気持ちに余裕は無かった。
「かぶとししゃも以外は日持ちしますので!」
「いいですね。二人でゆっくり食べましょう」
功至の優しく落ち着いた声と表情に、千幸も少し平常心を取り戻した。
「今日の松前漬けは白醤油のもので数の子が琥珀色染まって、さっぱり味付けされて、とてもおいしいんです。生ハムは切り落とし。分厚いのでシンプルなパンに挟んでサンドイッチにしてもおいしいです。その場合はサニーレタスをたっぷり使って、ほんの少しシーザードレッシングをたらしていただきます。スモークチーズでしょう、これも一口サイズで止まらなくなっちゃう。いぶりがっこに素揚げグリンピースは素材そのままの味! 京都原産の聖護院かぶと滋賀県の万木赤かぶ。ラディッシュではなく、赤かぶです。白と赤で縁起がいいかなと思って。どちらも持ってきました。私、この聖護院の千枚漬け、何枚でも食べられます。はぁ、はぁ」
千幸は一気にしゃべり過ぎて肩で息をしていた。喋り終わると、高揚していた気持ちが一気に反対へ振れた。
「す、すみません、ベラベラと」
千幸はまた泣きそうになった。どうして功至ににはいつも以上にうまく出来ないのだろうか。頭に血が上るか、血の気が引くか、どちらかの状態以外で過ごせないものだろうか。
「いえいえ、一生懸命、得意げに喋ってるの、可愛かったです」
功至の言動もおかしいが、それに気づけるほど功至も千幸も気持ちに余裕は無かった。
「かぶとししゃも以外は日持ちしますので!」
「いいですね。二人でゆっくり食べましょう」
功至の優しく落ち着いた声と表情に、千幸も少し平常心を取り戻した。