ちょうどいいので結婚します
千幸は考えて考えて考えて功至に送ったメッセージをじっと見ていた。
そして、その要領の得ない、かつ情報過多な自分のメッセージを取り消そうにも既読がついてしまっていた。そこから功至の返事が来るまで千幸は息も出来ない状態だった。
『はい。俺も、次も千幸ちさんと会うの楽しみにしています』
“千幸ちさん”?千幸は、功至のメッセージから誤字を見つけ慌てて打ってくれたのだろうかと顔がゆるんだ。
それから、二人で相談することが多く時間を気にすることなく話せたらいいのにと思ってのことで『泊まってもいいですか』と聞いたのだったが、
「あぁ、またやってしまった! 一柳さんにそういうつもりだと思われたらどうしよう。あれほど考えて打ったメッセージだったのに!」
熱くなった顔にを両手で覆った。
「いやいやいや。結婚するんだもの。そうなってもおかしくないもの。そうよね?」
自問自答したあとで思い出した。
「あ、でも彼は最初はシティホテルか婚前旅行でって言ってたような……。でも、家に泊まって一晩何もないのはそれはそれで寂しいっていうか……」
千幸はそこでハッとした。何を言ってるのかしら、と。一層赤くなった顔をぶんぶんと振った。
「いいじゃないの、婚約者なんだから」
千幸にとっても『婚約者』であるというのは頼みの綱のようなものだった。とはいえ、功至にキスされたことで、相当に浮かれてはいたのだった。
そして、その要領の得ない、かつ情報過多な自分のメッセージを取り消そうにも既読がついてしまっていた。そこから功至の返事が来るまで千幸は息も出来ない状態だった。
『はい。俺も、次も千幸ちさんと会うの楽しみにしています』
“千幸ちさん”?千幸は、功至のメッセージから誤字を見つけ慌てて打ってくれたのだろうかと顔がゆるんだ。
それから、二人で相談することが多く時間を気にすることなく話せたらいいのにと思ってのことで『泊まってもいいですか』と聞いたのだったが、
「あぁ、またやってしまった! 一柳さんにそういうつもりだと思われたらどうしよう。あれほど考えて打ったメッセージだったのに!」
熱くなった顔にを両手で覆った。
「いやいやいや。結婚するんだもの。そうなってもおかしくないもの。そうよね?」
自問自答したあとで思い出した。
「あ、でも彼は最初はシティホテルか婚前旅行でって言ってたような……。でも、家に泊まって一晩何もないのはそれはそれで寂しいっていうか……」
千幸はそこでハッとした。何を言ってるのかしら、と。一層赤くなった顔をぶんぶんと振った。
「いいじゃないの、婚約者なんだから」
千幸にとっても『婚約者』であるというのは頼みの綱のようなものだった。とはいえ、功至にキスされたことで、相当に浮かれてはいたのだった。