No rain, No rainbow-ナナイロのシアワセ-
私のココロの奥まで見透かしてしまいそうな、律さんの目。

いいや。

とっくにもう、見透かされているんだ。

その証拠に、律さんは左手で私の左手を持ち上げた。

おひさまの光が反射する、ふたつの左手。

そわせた指に光る、七色。

律さんは重なったふたつの手のひらにカメラを向けて1度、シャッターを切った。

そのまま目線は、私の方へ。

あたたかなオレンジ色の光の中で、触れるだけの優しい、キス。

満たされたココロで、同じ場所に帰るためにゆっくりと歩き出した。



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