No rain, No rainbow-ナナイロのシアワセ-
「あ、またひとりで笑ってる。オレのこと考えてたんでしょう?」

後ろから掛けられた、からかいを含んだそんな声は、私の体温を急上昇させる。

ゆっくり振り向いたら、余裕の笑顔の旦那さま。

「林くん、って、最近入ったの?」

なんて唐突な律さんの発言。

しかも、林くんの話ししたことあったっけ?

疑問に思いながら、

「はい」

とりあえず、返事を返した。

「今、レジを打ってもらったから」

律さんが、お買い上げの印の赤いテープが貼られた、ペットボトルのミルクティーを掲げた。

「あぁ、そうだったんですね。今日は…あ!ブライダルフェアの撮影ですね」

「覚えてくれてたの?ずいぶん前に話したのに」

なんて、少しびっくりした表情の律さんが可愛らしい。




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