No rain, No rainbow-ナナイロのシアワセ-
マンションの玄関の鍵を開けて、私を先に入れてくれた律さんは、後ろ手にドアを閉めて、私を強く抱きしめた。

その強さのまま、

「……ッ!…ん…ッ!!」

強い強いくちづけを私に落とした。

……ちょ、ッ!…りつ…さ…

「黙って?」

いいかけた私に、一瞬くちびるを離してそう告げた律さんは、さらに強い力でキスをした。

「…もう…ほんと…に…」

そんな風に、キスの合間につぶやくことしか許されなくて。

あまりの熱量に崩れそうになった瞬間、腰に腕を廻して支えてくれた、律さん。

おでことおでこがくっつく声で、囁いた。

「…まったく…、ほんっとにあなたってひとは」






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