No rain, No rainbow-ナナイロのシアワセ-
見上げたマンションの、私たちの部屋の灯りは、柔らかに光っている。

そのことに、安心と安らぎと優しさを感じて心から嬉しくなる。

早く早く…

こういう時に限って、エレベーターがやってこない。

待ちきれなくなって、階段を登ることにする。

たまに運動代わりに、律さんとふたりで登る階段。

ひとりきりだと、5階は長いなぁ。

ほとんど駆け上がるようにして、階段を登る。

息を切らして、やっと着いたドア。

バックから急いで取り出した鍵を鍵穴に差し込んで、ドアを開けた。


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