No rain, No rainbow-ナナイロのシアワセ-
願っていたことは、もれなく現実になる。

頬や、まぶたやくちびるに優しく触れる、軽いキス。

それだけで、気持ちがいい。

もっともっと……

「…ちょっと、もう。どういうつもりですか?オレのなけなしの理性が飛ぶ前に起きなさーい」

具合が悪いあなたを、襲わせるなんて野蛮なことはさせないで。

言いながらも、私の着ているシャツをさくさくと脱がしてゆく律さん。

…あぁ…このままどうか最後まで…

願う声は音になる。

と…、

「こらこら、あなたはほんっとに」

言いながら、パジャマを私の頭から被せた律さん。

「着替えて寝てなさい」

食欲は?

あるの?

じゃあ、ごはんができたら起こすから。

有無を言わせず、ベッドに潜り込まされる。




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