雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
【同行研修 相部屋編】
それから2週間後、1泊での出張があり、同行することになった。
それまでも、神崎さんに色々教えて貰っていた。
長井さんが私と神崎さんの席の間に来て
「朝比奈、神崎と同行すると大変だろ?」
「いえ、とても勉強になります」
「長井さん、俺の方が大変なんですけど」
「そうなんです・・・私がご迷惑掛けてます」
「ははっ、そうなのか。まぁ、神崎に教えてもらったら間違いないからな、色々と教えて貰えよ」
その後、小さな声で
「朝比奈、可愛いからなぁ・・・間違いは起こすなよ、神崎」
「はぁ?そんなこと絶対にあり得ませんから」
長井さんは笑いながら席に戻って言った。
そんなことあり絶対あり得ないか・・・
あり得ないよね。
少し優しくされたからって、私だって、神崎さんのこと、好きになんてならない。

宿泊出張の前日、神崎さんはいつものように書類を前もって準備してくれて、今回はより分かるようにと簡単に説明をしてくれた。
「神崎さん、ここはどういう意味なんですか?」
「あぁ、これ?これは、」
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