雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
【心が揺れ始める】
ハプニング続きの同行研修は、あと1週間で、3ヶ月となり、ようやく終わる。
どうなるかと思っていたけど、私の神崎さんへの印象は全く変わり、神崎さんと客先とのやりとりを傍で見れたことは、とてもいい経験になった。
今日は、神崎さんは直行の外出で、午後出勤になっている。

「朝比奈、もうすぐ研修も終わりだな。どう?神崎さんとの同行は」
朝会が終わった後に、水森くんが声を掛けてきた。
「自分の仕事への考え方とか心構えが変ったかなぁ。色々と勉強になってるよ」
「そうか・・・何か妬けるな。俺だけの同期の朝比奈って思ってたから」
水森くん、それはどういう意味なの・・・
「あっ、俺、会議の準備するから。あと少し頑張れよ」
いつものように優しい水森くんの笑顔。
その時、神崎さんの微笑む顔が浮かんだ。
私、神崎さんと比べている・・・
きっと、今まで苦手だった神崎さんが微笑んでくれたから、それが新鮮なだけ。
最近、神崎さんと過ごす時間が長いから、きっと、頭に残ってるんだ。
そんなことを考えながら仕事をしていると
「朝比奈、お疲れ」
ふと隣を見ると、さっき頭に浮かんだ同じ映像が目に飛び込んだ。
「神崎さん、午後出社じゃなかったんですか?」
「先方のドタキャンで帰って来た。んっ?何かあった?」
「い、いえ、何もないです」
「朝比奈、早速で悪いけど、仕事頼んでいいか?」
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