雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
そろそろ、水森くんのことも落ち着いたし、仮彼も終わろうと言われるんだろうなぁ・・・
そう思うと、胸がぎゅっと締め付けられて、凄く寂しくなった。

次の週は、翌日金曜日の会議資料を仕上げるために残業していた。
「あぁー、遅くなっちゃった」
気がつけば、営業部は私と水森くんだけになっていた。
気まずいけど、別に悪いことしたわけでもないし・・・
「水森くん、私先に帰るね」
「あぁ、お疲れ様」
私は帰る準備をして、給茶室に寄って帰ろうとしたら、水森くんが立っていた。
「水森くん、どうしたの?」
「朝比奈、俺さ、やっぱり朝比奈のこと好きなんだ」
「な、何言ってるのよ。松草さんがいるのに」
「松草とは別れる。朝比奈のことが好き、それが本心なんだ」
「私は水森くんのこと好きじゃない」
「俺、知ってるよ。朝比奈が俺の事好きだったの。だって、いつも見てたじゃない」
「今は違う。神崎さんと付き合ってるって言ったでしょ。それに、松草さんを裏切る気?」
「朝比奈と付き合ったら別れる」
「最低ね!そんな人だとは思わなかったよ」
「本当に神崎さんと付き合ってるの?遊ばれてるだけじゃないの?」
じりじりと水森くんが迫ってくる。
壁にぶち当たり、逃げられない。
「神崎さんと付き合ってるって聞いて、俺、自分の気持ちに気がついたよ。朝比奈を取られたくない」
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