雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
神崎さんの腕を掴み、恥ずかしくて下を向きながらだったけど、本当の気持ちを伝えた。
「美咲、ありがとう」
雨が降る傘の下で、もう1度神崎さんと口づけを交わした。

雨が段々激しく降ってきて、神崎さんの家に着いた時は、服が濡れていた。
「美咲、風邪引くから、シャワー浴びてきたら」
「は、恥ずかしいです」
「覗かないよ、多分」
「た、多分って」
「覗かないから。俺の部屋着大きいけど、これに着替えて。服乾かそう」
濡れた服で部屋にいるのも申し訳ないから、シャワーに入り、神崎さんと同じ香りがする髪の毛を乾かして、借りた服を着て部屋に戻った。
「ぶかぶかだな。でも可愛い。それと俺と同じ香りだ」
私の髪を触り、頬にキスをして、ソファに向かった。
いつもと違う神崎さんの1つ1つの言葉と態度に、私は翻弄されている。
シャワーで火照っている体が、より一層火照っていた。

照れ隠しに神崎さんに質問した。
「神崎さん、傘は持って来ないと。私がいなかったら、どうするんですか?」
「そしたら、他の女の子に声掛けて、入れてもらうよ」
私がえっ!っていう顔で神崎さんを見ると
「何?そんな顔して」
「いえ、別に」
私が膨れて顔をそらすと、両手で頬を覆い、目が合うように顔を向けられた。
「なんで膨れてるんだよ」
「何もないです」
「ほんとに?いいの?今日みたいに他の女の子と1つの傘で2人で歩いて」
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