雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
私は想像すると嫉妬して涙目になった。
「他の女の人とは、一緒に相合い傘して欲しくないです」
「素直にそういいなよ」
神崎さんに唇を奪われた。
「俺さ、傘持ってたよ」
「えっ?」
「でも美咲と1つの傘で歩きたかったんだ」
私の髪をかき上げながら
「もし、美咲がいない時に雨が降ったら、濡れて帰るさ」
優しく微笑み口づけされた後、神崎さんは、じっと私を見つめた。
「美咲、男の人と一緒の部屋で過ごすの、俺が初めてって言ったよなぁ」
「はい」
「そっか・・・」
「きゃっ!」
神崎さんに抱きかかえられ、そのままベッドへと寝かされた。
「初めての相手が俺じゃ嫌か?」
真剣な顔つきで、じっと見つめられる瞳は、色っぽく熱を帯びていて、目が離せない。
私の答えは1つしかない。
「・・・嫌じゃないです」
「本当に俺でいいんだな?」
私は、微笑んで頷いた。
「なぁ、美咲。初めてが俺だと、これからずっと美咲は俺だけしか知らないことになるな」
そっと神崎さんに口づけをされた。
「ずっと大切にするから」
私、いつの間にこんなに神崎さんが好きになったんだろう。
ぶっきらぼうだと思っていても、いつも優しさがあった。
困った時、いつも守ってくれた。助けてくれた。
美咲と呼ばれ、唇を落とされる度に、恥ずかしいし、どきどきする。
でも、全てを神崎さんに委ねることに、不安はなかった。
< 36 / 96 >

この作品をシェア

pagetop