雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
【3期会 同期達の再会】
全国営業強化プロジェクトも無事終わり、津田さんからは、たまに元気かとメールが来て、美味しい地元料理の紹介の写真が届く。

津田さんに好きだと言われて、水森くんのようにもう今までみたいに、話が出来なくなるかと思ったけど、津田さんは今までと同じように先輩と後輩でいようと、変わりなく接してくれて、ほっとしている。

写真を朝陽さんに見せて
「九州に行ったら食べたいです」
そう言うと
「絶対に1人で行くなよ」
険しい顔で、必ず釘をさされた。

営業部の忙しさは変らず、朝陽さんは外出も多く、私はサポートしながら、仕事で朝陽さんを支えることが増えていくことに、今は楽しみを感じている。
「神崎さん、この書類これで大丈夫ですか?」
朝陽さんは書類を確認して
「あぁ、これでいいよ。朝比奈、俺の好み理解してくれて助かるよ」
朝陽さんに仕事で認められることがとても嬉しかった。
それと同時に、職場では、淡々と話す朝陽さんが、甘い声で、優しい言葉を言ってくれると、家にいる朝陽さんと重なって、胸がどきどきして、顔が赤くなってしまった。
「朝比奈」
「はい・・・」
朝陽さんが私のパソコンを覗きながら、小さな声で
「そんな可愛い顔していると、俺が我慢出来なくなるから」
その言葉に、私は朝陽さんを見ることも出来ず、ただ、頷いてパソコンを見ていた。
「朝比奈、その書類5部、準備して」
「はっ、はい」
いつもの朝陽さんになって、私もふと我に返る。
ただ・・・
優しい笑顔に、私の心はときめいている。
< 69 / 96 >

この作品をシェア

pagetop