雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛

久々に同期にあって、楽しかったし、少しくらいなら大丈夫かもって気持ちも大きくなって、一口飲んでみた。
「これ、美味しい。ジュースみたい」
「そうだろ？良かった。でもきついから、沢山は飲むなよ」
私は、甘いお酒を口にして、久々に会えた皆との時間を楽しく過ごした。

会が終わる頃、私はグラス2杯のカクテルを飲んだせいで、最後の方はふわふわして、話を聞けていなかった。
「じゃあ、朝比奈、またなぁ」
近藤くん達が帰って行くのを、やっとの思いで見送った。
私は、ホテルの入り口付近の外庭にあるベンチに腰掛けて酔いを覚ましていた。
朝陽さんに連絡しないと・・・
「朝比奈、大丈夫か」
声をかけてきたのは、坂田くんで、私の横に座った。
「ごめん、あまりに楽しくて、飲めないお酒飲んで、酔っちゃった・・・」
ふわふわした感じで、話すのもやっとだった。
「俺、送って行こうか？」
「ううん、大丈夫」
しばらく坂田くんは黙っていたけど、私の顔を見て話し出した。
「朝比奈・・・俺さ、研修の時から、朝比奈の事いいなぁって思ってたんだけど、水森に遠慮してたんだ。もし、今彼氏いなかったら、付き合ってくれないか」
突然の言葉に、私の頭は回転しなかった。
「あぁ、同期で一番仲の良いってところからでいいんだ。電話で毎日話したり、休みに俺が会いに来るから」
「坂田くん・・・」
「どうかなぁ？」
「ごめん、私ね、好きな人がいるから」