雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛

「仕事の考え方が合ってさ。仕事も出来るし、どちらかというとパートナーって感じかなぁ」
「そっか、俺はてっきりお前は美咲みたいなタイプを選ぶと思ってたから」
「朝比奈に似た人を選んだら、その彼女に失礼だからな」
「えっ？」
津田が一瞬寂しそうな目をしたように思った。
「お前、まさかまだ美咲のこと・・・」
「そんな訳ないだろ？俺、これでもモテるからな。人妻を思い続けるほど、暇じゃないし」
「はぁ？何だよそれ」
「羨ましいか？」
「全然。俺は美咲だけでいい」
「そうだな、幸せにしてやれよ」

笑っている津田の横顔を見て思う。
美咲と似た人と付き合うと、美咲と重なるほど、想いが強かったのかと・・・
「あぁ、お前の想いより、もっと深く愛するよ」
津田は一瞬真剣な顔つきになった後、微笑んで
「あぁ、任せたよ」
そう告げて、俺の肩を力強く掴んで、２人で美咲達のところへ足を進めた。

★新婚旅行の始まりは★

「じゃあ、俺達、これで帰るから。神崎、月曜日、支社に顔出す？」
「あぁ、顔だすよ。でも仕事は押しつけるなよ」
「バレてた？１日くらい、俺に付き合えよ。朝比奈もこっちの支社来ることないし、いいだろ？」
「私も行きたいです！朝陽さん、連れて行ってください」
「はぁ・・・美咲、津田にこき使われるぞ、俺」
「同期のために頑張ってください！」
「よしっ！嫁の許可も得たし、頼むわ」