天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 ミリエラの乳兄妹であるカークは、ミリエラを妹のように可愛がってくれている。本当は、弟が欲しいらしい。

(カークだけではなく、オーランドも、もうひとり欲しがってるんだよねぇ)

 見た目は愛らしいもうすぐ五歳の幼児だが、中身は二十五歳である。彼らの考えていることくらいある程度は読める。

 オーランドとカークは、もうひとり欲しい。

 だが、そうしないのは――ニコラが、ミリエラに深い愛情を注いでいるから。今、ニコラが妊娠するようなことがあれば、ミリエラが傷つくと思っているらしい。

 だから、二人目はもう少し待つべきだと判断していると家族に話をしているようだ。

 普通の五歳なら赤ちゃん返りをするかもしれないが、ミリエラの中身は立派な成人女性である。

 それを知らない彼らがミリエラを心配するのは――やはり、父に捨てられた存在だからなのだろう。

(カークには、ミリィは妹が欲しいって書こう)

 ニコラに直接言ってもきっと聞かない。

 こういう時は、子供の方から攻めるべきなのである――ニコラが心を決めるには、まだ、もう少し時間がかかるだろうけれど。

「――できたぁ!」

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