天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 ぼやくジェラルドの姿を、ミリエラはちょこんと椅子に座って眺めている。どんな姿であれ、彼の目が現在に向いているのがミリエラの胸を温かくする。

「ミリエラ、この魔石にマナを流し込んでごらん」

「わかった」

 錬金術師の第一歩は、魔石にマナを流し込むところから始めるものらしい。魔石にマナを流し込むことができるようになるのだ、錬金術師としての第一歩。

 というのも、魔石というのはマナを一番流しやすい素材なのだ。加工前の魔石にマナを注入できないようでは、他の素材に流すことなんてできるはずもない。

 錬金術とは、魔石だけではなく、さまざまな素材にマナを流し込み、変容させ、新しい物質を作ることを言う。

 つまり、素材づくりが主な仕事というわけだ。そこから先、魔道具を作り上げるところまで自分でやる錬金術師もいる。

 錬金術師の加工した素材を使い、魔道具を作るのが魔道具師。父も簡単な魔道具なら自分で作ることができるが、難しいものは専門の職人に頼むそうだ。

「えいえいえいっ!」

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