天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
すっかり料理人のぎっくり腰と決めつけて厨房に向かったら、向こう側からニコラが歩いてくるのが見えた。
「ねえねえニコラ、厨房大丈夫? おじさん、腰痛いの?」
矢継ぎ早なミリエラの問いに、ニコラは目を丸くする。それからいえいえと首を横に振った。
「今日は、お客様がいらっしゃるのですよ。ミリエラ様、お出迎えの支度をしましょうね」
「えー……」
錬金術を習うようになってから、ミリエラの服装は以前とは少し変わっている。
以前は飾りは少な目ながらも、貴族のお嬢様にふさわしいフリルやレースのついたワンピースだったのだが、最近ではよりシンプルなものになっていた。
シンプルな服の方が動きやすいから好きなのだが、客人が来るのなら着替えねばならない。
自室に戻り、今まで着ていた動きやすいワンピースをすぽんと頭から抜かれたかと思ったら、レースとフリルたっぷりのドレスを着せつけられる。
髪は下ろしたままでいられると思っていたら、ふたつに分け、両方の耳の上で束ねてリボンをつけられた。