天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 それだけ、ジェラルドが頼りなかったのだろう――あの頃は、アウレリアが側にいてくれればそれで十分だった。

 だが、今は違う。ジェラルドにも守るべきものがある。

「パパ、お弁当と一緒じゃなくて、保冷布だけでも売れるかな?」

「売れるさ。このデザインだと子供向けっぽいから、大人向けのものも考えてみようか」

「わかった。やってみる!」

 ミリエラの目が輝き、そして再びスケッチブックに向き直る。床の上に寝そべり、足をぱたぱたとさせている姿に、ジェラルドは目を細めた。

(私は、なんて幸せなのだろう)

 一度は遠ざけたのに、こうしてミリエラの方から近づいてきてくれた。彼女の行動がなかったら、今のこの幸せはあり得ない。

 今度は、自分が守るから。ジェラルドはそう決意する。

 今まで、頼りない父親だった分、今度は自分が守ってみせる。
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