天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
第六章 ミリエラ、新しい発明をする
"保冷布"は、グローヴァー領で大流行りとなった。

 今のところ、スライムの魔石にマナを注ぐことができるのはごく少人数の者だけであるが、出来上がった溶液を糸に定着させるのも、織るのも、ハンカチに仕上げるのも他の者に任せることができる。

 ミリエラの指導により、領内で暮らす子供のうち三人が、スライムの魔石にマナを注ぐことができるようになった。子供にとっては、いいお小遣い稼ぎになる。

 さらに魔物退治を許されるようになった子供達が、どんどんスライムを狩りに行くようになったが、スライムはものすごく繁殖力が高いから、子供達が取りつくしてしまう心配もない。

「パパ、もっとたくさん保冷布を作りたい――雑貨屋のおばさんが、もっと入荷してほしいっていうの」

 結局、あちこちとやり取りした結果、保冷布製のハンカチは領内にある雑貨屋に公平に卸すことにした。一般の人も、保冷布のハンカチだけを買うことができるようにしたのである。

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