天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 細く細く。マナを細く絞って注入する。そして、注入終了。

「どうかな?」

「うん、このくらいでちょうどいいよ!」

 にっこりとしたミリエラに、ジェラルドも微笑みを浮かべた。どうやら、コツを掴み始めたようだ。

「もう一度やってみよう――これで、どうだ」

「すごいよ、パパ。完璧!」

 やはりジェラルドは天才錬金術師なのだ。マナのコントロールに長けている。完璧にマナを注がれたスライムの魔石を手に、ミリエラはにっこりとした。

「これは、マナをコントロールするいい練習にもなるね」

 もう一度汗を拭い、ジェラルドはつぶやいた。

「マナのコントロール?」

「そう。錬金術師がマナを注ぐ際には、量を調整しないといけないからね。さすがにここまで繊細な操作をするというのはなかなかないけど――これを完璧にできるようになれば、日頃の作業ももっと楽になると思うよ」

「へぇ」

 彼の言葉にうなずきながら、ミリエラは考え込んだ。

(なんていうか、この世界の人達、マナの扱いがおおざっぱなんだよねぇ……)

 マナの流れを見ることができるのがミリエラだけだからだろうか。

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