天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 この世界の人達は、マナを操縦することに長けてはいない。

 マナ屋を営んでいる者に聞いても、魔道具の魔石にマナを補充する者にどうやってマナを注入する量を調整しているのか聞いてみても、「がっと集中してぐっと入れる」「勘です」などとあいまいな答えしか返ってこないのだ。

 ミリエラを膝の上に乗せたジェラルドは、再び魔石を取り上げた。

「もし、やり過ぎだと思ったら教えてくれるかな」

「うん、わかった」

 ミリエラはジェラルドの指先に意識を集中する。髪の毛より細くなるほど絞られたマナが、スライムの魔石に吸い込まれていく。

 キラキラとした銀の細い糸が、魔石に吸い込まれていく様はとても美しい。ミリエラ以外、それを見ることができないのはもったいないと思うほどだ。

「パパ、そのくらい」

「わかった」

 たぶん、ミリエラが声をかけなくても、ジェラルドはマナの注入を止めただろう。とても要領のいい人なのだ。

 ふたつ、三つと並べられている魔石が数を増やしていく。

「今日、カークはどうしている?」

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