天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 痛みを軽減する素材を追加し、少しずつ経路を開くのならば、ほとんど痛みもないということが判明した。

 外側から、たくさんのマナを持った人物が治験者のマナを揺らしていく。他人のマナに触発されて、体内のマナがゆるゆると動き、そして経路が開く。

 一度で開かないこともあるが、数日おきに同じ処置を繰り返すことで全員経路を開くことができた。
 だが、最初の実験体であり、自分の経験から治療の助手を務めていたオーランドは難しい顔をしていた。

「……年齢を重ねた者ほど痛みも激しいし、時間がかかりますね」

「マナの経路がふさがっている時間が長くて固まっているのではないか? 子供はあまり痛がらなかっただろう」

 オーランドも痛みを軽減する工夫をする前はかなり痛かったというが、一番激しく痛みを訴えてきたのは六十代の女性だった。

 六十年以上、マナを使わず生きてきたのだから、マナの経路が固まっていてもおかしくない。
二十代以降の人を確認したところ、痛みを強く覚えるのも、マナを上手に流すことができないのも年を重ねた人が多かった。
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