天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 一度に穴を開けると身体に支障をきたすかもしれないから、一定の時間を置いて実験を繰り返す。

 早い人で五回、遅くても二十回ほどで実験に協力してくれる人全員がマナを使えるようになった。

「マナリングを作ってる人の仕事がなくなっちゃうかなぁ……」

 自分で開発しておいて、ミリエラはそんな不安を漏らす。

「マナリングを作っている人は、他にもいろいろ仕事があるから大丈夫だ」

 そっと娘の肩を抱いてやる。

 マナリングは一度作ってしまえば十年以上使うことができる。

 どちらかと言えば、その後、マナリングにマナを注入する仕事の方がお金になるくらいだ。

 魔道具師は、マナ屋を兼ねていることが多い。そして、マナリングを使わなくてもいい人が増えれば、魔道具の需要も増えるだろう。

 今まで、マナを節約するためにマナリングの使用を最小限に抑えていた人達も、どんどん魔道具を使うようになるだろうから。

「ディーも、ためしてみていいかな……?」

 ちらり、とこちらの様子をうかがいながら問いかけてくる様も愛らしい。

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