天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
「ニコラに支度してもらうね。ミリィ、おじい様とおばあ様にプレゼントしたいな。何をあげたら喜んでくれるかなぁ……」

 手紙も書きたいから、便箋を用意しなくちゃとうきうきしているそぶりを見せておく。

 こうして、子供らしく振る舞うことで、ジェラルドの罪悪感が薄れることも理解しているから。

「――ニコラ達も一緒に行ってもらおう。殿下も、カークのことは気に入ってくださっているし、道中は三人で楽しく過ごせるだろうしね」

「うん、ミリィもそうしたいと思ってたよ! パパ、さすが!」

 この屋敷に来て、騎士団から剣の稽古を受けているディートハルトは、カークのことを友人だと言っている。

 マナを持たないディートハルトに、気負うことなく差別することなく、当たり前のように接するのが居心地よかったようだ。

(ディーがいなくなったら、カークも寂しいんじゃないかな……)

 不意に新たな心配が芽生えることになった。

 戻ってきたら、また、ふたりで遊ぶことになる。ディートハルト相手に剣を振っていたカークは、ミリエラとふたりで退屈にならないだろうか。

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