天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 火属性を持たせたボルケーノスライムの魔石を保冷布を作った時と同じように加工すると、保温機能を持った布を作ることができた。

 保冷布と違い、どこまでも熱くできるのだが、あまり熱を加えすぎると今度は燃え上がってしまういう欠点も発見された。

 そのため、保温布の方には、流し込むマナの量が多すぎた場合、多い分は大気中に流すような機能を追加することになった。

 ディートハルトが山のように持ってきてくれたスライムの魔石のおかげで、ミリエラも訓練を重ね、錬金術師としての一歩を踏み出すことができたわけである。

(ディーには、もっと感謝しなくちゃね)

 薄くてしなやかな保温布は、劇場などに出かける時に重宝しそうだ。祖父母に贈る品でもあるから、職人に頼んで精緻な刺繍を施してもらった。

 劇場に出かけた時ひざ掛けにしてもいいし、羽織ってもいい大きさである。

 それから、ミリエラのドレスも必要である。王族に会うのにいつもの格好というわけにはいかないし、父の礼服も新調しなくてはならない。

 静かだった屋敷には、急に人の出入りが増え、慌ただしく出発の日を迎えることとなった。

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