天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 ジェラルドとミリエラ、そしてディートハルトにカーク、子供達の世話係として乗り込むニコラが一台の馬車である。

 護衛を務めるオーランドは、ディートハルトの護衛達と一緒に馬に乗るので別行動だ。

 その他、侯爵家の使用人とディートハルトの世話係などが馬車二台で続く。護衛は三十名ほど。かなりの大所帯となった。
 王都とグローヴァー領の間をつなぐ街道は、人の行き来が頻繁だ。魔物や盗賊が出ないように、街道の警備兵も厳重に警戒している安全な道だ。

 王都までは、三日ほどで到着する距離だが、今回は三人の子供が同行する。

 途中で昼寝の時間をとるということもあり、五日間という日程が組まれ、予定通り五日かけて、王都に到着した。

 道中、あまりにもはしゃぎすぎて馬車の中では、ミリエラがしばしば寝落ちていたのは同乗者だけの知る秘密である。

「うわぁ、すっごいねぇ……たくさんの人がいる」

 窓側の席を占め、べったりと窓に張りつくようにしていたミリエラは、思わず声をあげた。

 ニコラを挟みミリエラとは反対側の窓際に座っているカークも、同じように窓に張りついている。

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