天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 多数の人々が行き来をし、店先には豊富な種類の商品が並んでいる。一目見ただけで、都が栄えているというのがよくわかった。

「こんなにたくさんの人がいるって思ってなかったよ」

「だよねぇ。今日はお祭りなのかな?」

 初めて王都の賑わいを見るミリエラとカークは、窓に張りついたまま。

 前世が日本人であるミリエラは、もっと混んでいる場所も知っているが今回の人生でここまで混んでいるのを見るのは初めてだ。

 父の屋敷にいる時想像していたよりはるかに、この国は栄えているらしい。

「今が祭りの時季というわけではないよ。いつもこんなものだ」

 王宮育ちのディートハルトは、街の賑わいも驚いていないようだ。

 きちんと背筋を伸ばし、真正面を向いている。子供の中で、街の賑わいに気を取られていないのは彼だけだ。

「ほら、そろそろ屋敷に着くぞ。ミリエラ、カーク、ふたりともちゃんと座りなさい」

 父に言われ、ミリエラは渋々座り直した。もっと街の賑わいを見ていたかったのに。

「用事がすんだら見物に連れて行ってあげるから、そうつまらなそうな顔をするんじゃない」

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