天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
風の精霊もまた、ミリエラの前でえへんと胸を張る。そうすると、ミリエラよりも視線の位置が高かった。
「へぇ、風の精霊、ねぇ……」
今までミリエラの見ていた風の精霊とは違う。今までの風の精霊は、緑色に光る丸い玉のような姿をしていた。
『娘、我と契約しろ』
「娘じゃないよ、ミリエラだよ――……どうして契約したいの?」
『そなたの側にいたいからだ――前の生の記憶を持つ者よ』
前世のことに触れられて、ミリエラは眉間にしわを寄せた。前世のことは、あまり触れたくはないのだが。だが、ミリエラの前世のことも気づくあたり、ただの精霊ではないのかもしれない。
「……でも」
精霊はミリエラに頬を寄せてきた。ふさふさの毛並みが、頬に触れる。
『娘、我と契約しろ。そうしたら、我がそなたを守ってやる』
「……だから、ミリエラだってば」
『娘、我に名前で呼んでほしかったらそなたも我を名前で呼べ』
「名前って……?」
ミリエラは、風の精霊の方に手を伸ばした。その手に、精霊は鼻先を押しつけてくる。
『そなたが名をつけろ。我には、名前がないからな』
「へぇ、風の精霊、ねぇ……」
今までミリエラの見ていた風の精霊とは違う。今までの風の精霊は、緑色に光る丸い玉のような姿をしていた。
『娘、我と契約しろ』
「娘じゃないよ、ミリエラだよ――……どうして契約したいの?」
『そなたの側にいたいからだ――前の生の記憶を持つ者よ』
前世のことに触れられて、ミリエラは眉間にしわを寄せた。前世のことは、あまり触れたくはないのだが。だが、ミリエラの前世のことも気づくあたり、ただの精霊ではないのかもしれない。
「……でも」
精霊はミリエラに頬を寄せてきた。ふさふさの毛並みが、頬に触れる。
『娘、我と契約しろ。そうしたら、我がそなたを守ってやる』
「……だから、ミリエラだってば」
『娘、我に名前で呼んでほしかったらそなたも我を名前で呼べ』
「名前って……?」
ミリエラは、風の精霊の方に手を伸ばした。その手に、精霊は鼻先を押しつけてくる。
『そなたが名をつけろ。我には、名前がないからな』