天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 だが、都に戻って来たとなると話は違う。魔道具の売り込みに様々な人と会う以上、グローヴァー侯爵家を取り込もうという人が近づいてきてもおかしくはない。

「たしかにそうですね。ご忠告感謝いたします――義母上」

 本当に、この人達にはかなわない。改めてそう思い知らされる。

 重要な話は終えたと言わんばかりに、伯爵は相好を崩した。

「ところで、ミリエラはあと何日王都にとどまるんだ? その間に、もう一度会えるだろうか」

 ふたりは、ではなくミリエラひとりを指名するあたり、本当にミリエラにメロメロになっているらしい。

「そうですね。私が一緒にいられない時には、こちらに連れてきましょう」

 ミリエラを愛してくれる人はひとりでも多い方がいい。この人達は、ミリエラだけではなくジェラルドのことも慈しんでくれた。
 ジェラルドが断ち切ってしまった絆を、結び直すいい機会だ。そして、ミリエラを愛してくれる人達との時間を増やすのも。

 はたして、ジェラルドの提案に、ふたりは大喜びしたのだった。
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