天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
「もちろんだとも。ミリィには、君のような護衛が必要だからな」

「本当? 伯爵様も、そう思う?」

「もちろんだとも」

 再び、祖父の大きな手が、カークの髪を撫でる。その光景を見ながら、こんな幸せが続けばいいと願わずにはいられなかった。

 

 翌朝、ミリエラはジェラルドと共に王宮に向かった。ディートハルトの願いもあるため、今日はカークも一緒だ。

 カークはミリエラの護衛見習いという名目らしい。いつものような簡素な格好ではなく、騎士の制服に似たものを身に着けている。

 先日国王夫妻と面会した建物ではなく、別の建物に通された。

 ディートハルトは、王宮の中に独立した建物をもらっているようだった。ミリエラがかつて別館で生活していたようなものだろうか。

 ひとりで、寂しくはないのかと少し気になってしまう。かつてのミリエラもそうだったから。

「ミリィ、カーク、会いたかった!」

 出迎えたディートハルトは、大人の男性と同じような衣服を身に着けていた。茶色の上着に茶色のズボン。白いシャツの襟は、喉元までぴったりと留めてある。

「ディーは、本当に王子様なんだねぇ……」

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