天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！

　このあたりは、たくさんの植物が茂っているし、庭に彫刻なども置かれている。特にミリエラは身体が小さいから、隠れる場所には困らなそうだ。

「よし、じゃあそうしよう――ミリィ、カーク。池の周囲はやめておこう。池に落ちたら危ないからね」

「わかった」

　一番年上らしく、ディートハルトは水辺には近づかないようにという忠告までしてきた。

　彼が王になっても、きっとうまくやっていけるだろうに――と一瞬考えかけ、ミリエラはぶんと首を振った。

（それは、私が言っていいことじゃない……）

　くじ引きの結果、最初に鬼になったのはディートハルトだった。

「ミリエラ。私は、国王陛下に謁見してくるから、殿下に迷惑をかけないようにするんだよ――君は大丈夫だろうけど」

「うん、ミリィ大丈夫よ」

「侯爵。僕の護衛も見ているから大丈夫だ。ミリィを池に落とすようなことはないと約束するよ」

「はい、殿下」

　ディートハルトの言葉に、父はにこりとして一礼する。ミリエラは右手でディートハルトの手を、左手でカークの手を掴んだ。