天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！

　それは、侯爵家の財を狙ったものであったとも、亡くなった先代侯爵から『自分をしのぐ逸材になる』と、五歳の段階で断言されていたジェラルドの才を狙ったものだともいわれている。

　だが、ジェラルドの後見人の座を勝ち取り、侯爵家に乗り込んだ親族夫妻も、すぐに病死。その次の後見人も妻が事故死したという事情があって侯爵邸を離れた。
　以来、グローヴァー侯爵は呪われた家系と言われるようになった。

　これだけ、次々に死者が出ているのだ。

　恐れられても無理はないだろう――皆、そう思ったのだ。当のジェラルドでさえも。
　その後も、新たな後見人が屋敷に入る度に新たな不幸に見舞われ、ジェラルドが十二の年には、屋敷にはジェラルドとわずかな使用人しか残らないようになってしまった。

　そんな中、変わらずグローヴァー侯爵家を訪れる数少ない貴族の家の中にあったのが、ハーレー伯爵家であった。

　ハーレー伯爵は、母方の親族にあたる人で、後見人も逃げ出し、先代侯爵の代から残っている使用人しかいない屋敷で暮らすジェラルドを心配してくれた。そしてそれは伯爵家の令嬢アウレリアも同様であった。