天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
「ジェラルド、お庭でお茶を飲みましょうよ! このお屋敷の薔薇園はとっても素敵。庭師の腕がいいのかしら? それとも、特別な魔法でも使っているの?」

 アウレリアはジェラルドより二歳年下であった。

 くるくると渦を巻いているストロベリーブロンドに、ピンクのリボンを飾っているのが愛らしい。

 ハーレー伯爵家の娘である彼女は、父親同様、ジェラルドのことを恐れなどしなかった。ぐいぐいと近づいてきては、閉じこもっているジェラルドをあちこち引っ張りまわそうとする。屋敷を訪れる度に、ジェラルドの手を引いて庭園へと連れ出すのも彼女だった。
「庭? さあ……庭師は、頑張っていると思うけど。あとは、精霊の力が、この庭は強いから」

「ああ、あなたはすぐれた錬金術師だものね。すぐれた魔術師や、錬金術師のところには、精霊がたくさん集まるって話だもの」

 大きな目を丸くして、感心したように叫ぶアウレリアに、ついジェラルドも抵抗する気を失った。

 年下のくせに、アウレリアは姉のようにジェラルドの世話をやいた。

「ジェラルドってとっても綺麗。物語の王子様みたい。素敵な銀髪ね」

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