天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！

「あなたが作ってくれた魔道具、とっても素敵。ただのオルゴールではないのね」

　ジェラルドの目の色や髪の色を誉め、彼の作った魔道具を誉め。彼女の中には、悪意なんてまったくなかった。

　――だから、ジェラルドも彼女に惹かれていったのだろう。

　錬金術師や魔道具師の作る魔道具の中に、音声と映像を映す"映写機"がある。
魔石といくつかの素材を組み合わせて作った記録板に、"記録機"を使って記録した音声と映像を再生するものだ。

　アウレリアが屋敷に来ない日でも、記録板に記録しておけば、いつでも彼女の姿を見ることができる。

　アウレリアが屋敷を訪れた時は、記録機を持ち、彼女の姿を残すのがいつしか当たり前のようになっていた。

　重ねる愛しい日々。少しずつ育っていく愛情。

　ジェラルドがアウレリアに向ける気持ちも、アウレリアがジェラルドに向ける気持ちも、とても純粋で愛おしいものだった。

　そして、ジェラルドは思った。アウレリアとならば、この屋敷にかけられた呪いを乗り越えられるのかもしれない。

　最高に幸せだったのは、アウレリアと結婚した当日。