惚れ薬を飲んだせっかち男爵はとにかく今すぐ結婚したい
気になって近くの棚を見てみると、落とした木箱と同様にエメラルドで装飾された木箱が並んで収められていた。
「エリーゼ嬢!!それは・・・!!」
慌てた様子でダンさんが制止の声をあげるのも気にせず、その箱が並んだ棚に歩み寄り、順番に蓋を開けていく。
これも・・・これも・・・!!
その箱の中には今まで私が刺繍をしたハンカチが何百枚も収められていた・・・。恐らく、今まで私がルーカスの依頼で作ったもの全てが・・・。
ルーカスは嘘をついていた・・・。
私が刺繍したハンカチは売り物でもなんでもなかったのだ・・・。
そんな事をさせる理由はひとつしかない。
「やっぱり・・・ルーカスは私の左手の事を気にして仕事を依頼するふりをして、お金を渡す口実にしていたのね・・・」
「いや、それは・・・エリーゼ嬢!!確かにルーカスのやり方はちょっとおかしい所はありますが、エリーゼ嬢への気持ちは・・・」
ゴトッ・・・バサッ・・・。
その時、ダンさんが持っていたルーカスの上着から、小瓶と皮袋が落ちてきた。
見覚えのある小瓶・・・そして皮袋から飛び出した欠片・・・それは休憩した時に、私が渡した手作りクッキーだった。
彼は全部食べたと言っていたのに・・・。
やっぱり美味しくなかったのだろうか・・・。
でも私を傷付けないために、食べた振りをしていたのかな・・・。
そして何よりも・・・この小瓶・・・。
それはあの時ルーカスが飲み干した惚れ薬と同じ物で、やはり小瓶には「惚れ薬」と紙が貼られている。
・・・しかもこれ・・・中身が入っている・・・?
・・・どういう事・・・?
惚れ薬を送ってきたのはユーリ・・・同じ物を持っていたルーカス・・・やっぱり・・・2人は繋がっていた・・・。
バァンッ!!!
「ちょっとルーカス!!どーゆーことよ!!!」
その声と共に、廊下に繋がる扉とは別の扉から、白いシーツの様な布を体に巻き付けた半裸の女性が出てきた。
その女性は、私もよく知る人物・・・。
彼女は私に気付くと、悪役令嬢の様な意地悪い笑みを浮かべた。
「あら、エリーゼ。久しぶりね。悲劇のヒロインごっこは卒業出来たのかしら?」
「ユーリ・・・やっぱり・・・貴方が・・・」
艶やかな黄金色の髪をかきあげながら、私を見下す様に見つめるユーリは、私と同じ緑色の瞳をしていた。
「エリーゼ嬢!!それは・・・!!」
慌てた様子でダンさんが制止の声をあげるのも気にせず、その箱が並んだ棚に歩み寄り、順番に蓋を開けていく。
これも・・・これも・・・!!
その箱の中には今まで私が刺繍をしたハンカチが何百枚も収められていた・・・。恐らく、今まで私がルーカスの依頼で作ったもの全てが・・・。
ルーカスは嘘をついていた・・・。
私が刺繍したハンカチは売り物でもなんでもなかったのだ・・・。
そんな事をさせる理由はひとつしかない。
「やっぱり・・・ルーカスは私の左手の事を気にして仕事を依頼するふりをして、お金を渡す口実にしていたのね・・・」
「いや、それは・・・エリーゼ嬢!!確かにルーカスのやり方はちょっとおかしい所はありますが、エリーゼ嬢への気持ちは・・・」
ゴトッ・・・バサッ・・・。
その時、ダンさんが持っていたルーカスの上着から、小瓶と皮袋が落ちてきた。
見覚えのある小瓶・・・そして皮袋から飛び出した欠片・・・それは休憩した時に、私が渡した手作りクッキーだった。
彼は全部食べたと言っていたのに・・・。
やっぱり美味しくなかったのだろうか・・・。
でも私を傷付けないために、食べた振りをしていたのかな・・・。
そして何よりも・・・この小瓶・・・。
それはあの時ルーカスが飲み干した惚れ薬と同じ物で、やはり小瓶には「惚れ薬」と紙が貼られている。
・・・しかもこれ・・・中身が入っている・・・?
・・・どういう事・・・?
惚れ薬を送ってきたのはユーリ・・・同じ物を持っていたルーカス・・・やっぱり・・・2人は繋がっていた・・・。
バァンッ!!!
「ちょっとルーカス!!どーゆーことよ!!!」
その声と共に、廊下に繋がる扉とは別の扉から、白いシーツの様な布を体に巻き付けた半裸の女性が出てきた。
その女性は、私もよく知る人物・・・。
彼女は私に気付くと、悪役令嬢の様な意地悪い笑みを浮かべた。
「あら、エリーゼ。久しぶりね。悲劇のヒロインごっこは卒業出来たのかしら?」
「ユーリ・・・やっぱり・・・貴方が・・・」
艶やかな黄金色の髪をかきあげながら、私を見下す様に見つめるユーリは、私と同じ緑色の瞳をしていた。