惚れ薬を飲んだせっかち男爵はとにかく今すぐ結婚したい
私は手をグッと力の限り握りしめ、感情を押し殺して言葉を続けた。
「ルーカスは22歳の時、あなたにプロポーズをしようとした・・・だけど、私の左手の傷を見て、自分だけ幸せになる事は出来ないと、プロポーズを断念した・・・。だけどユーリ、あなたはきっとルーカスの事を忘れられなかったのでしょうね・・・。だって10年も彼のことを待ってたのだから・・・。でも彼の決意は固かった・・・。我慢できなくなったあなたは1年前、別の人と結婚した。だけど、その人と最近離婚・・・恐らく原因は、相手の男性がユーリの我儘で自分勝手な性格に耐えられなかったから・・・」
「ねえ、さらっと失礼なこと言わないでくれる?」
ユーリは不服そうに何か口を挟んできたが、まだ話の途中なので私は無視して言葉を続けた。
「1人になったユーリをルーカスは放っておけなかった・・・。だけどユーリは1度結婚した身。ルーカスと結婚する事はもう出来ない・・・それに、彼は私の事も責任を取らなければと思っていた・・・。だけどユーリを捨てられない・・・悩みに悩んだ彼は、惚れ薬を使って私の事を好きになり、いっそのこと私とユーリ、2人を愛そうと思った」
「ぶほぉっ!!!?」
突然ダンさんが派手に吹き出し、呆気に取られた様にポカンと口を開けて固まった後、驚愕の表情で声をかけてきた。
「え・・・え・・・?どゆこと・・・?ていうか、エリーゼ嬢・・・あなたにとってルーカスはそんな下衆な男に見えるのですか・・・?」
「いいから続けて」
私の話に百面相していたダンさんとは対照的に、ユーリは動じることなく私の話を聞いている。
私はコクリと頷き、ダンさんの問いかけを無視してその先を話し始めた。
「ルーカスはユーリに惚れ薬の計画を話し、ユーリもそれに賛成した。それでルーカスが納得して一緒にいられるならと・・・。でもあなたはルーカスに、惚れ薬を私の前で飲むようにお願いした。私への気持ちは本心ではなく、惚れ薬によるものだと私に知らしめるために・・・。そして、惚れ薬はユーリ名義で送ることにした・・・。ルーカスが送った物を自分で飲むのはさすがにおかしいから・・・」
あの時のルーカスはあくまでも偶然を装うふりをしていた。
今思えば、それもなんだかおかしい話だけど・・・
「そ・・・そこをおかしいと思う余力があるなら、エリーゼ嬢のお話は根本的にかなりおかしい事に気付いてくれませんか・・・?」
ヨロヨロとよろけながら、やはり何か口を挟もうとするダンさんは、なんだかここ数分で色が抜けて白くなった気がする・・・っていうか、なんか老けた?
しかし今はそんな事を気にしてる場合ではない。
「ルーカスは22歳の時、あなたにプロポーズをしようとした・・・だけど、私の左手の傷を見て、自分だけ幸せになる事は出来ないと、プロポーズを断念した・・・。だけどユーリ、あなたはきっとルーカスの事を忘れられなかったのでしょうね・・・。だって10年も彼のことを待ってたのだから・・・。でも彼の決意は固かった・・・。我慢できなくなったあなたは1年前、別の人と結婚した。だけど、その人と最近離婚・・・恐らく原因は、相手の男性がユーリの我儘で自分勝手な性格に耐えられなかったから・・・」
「ねえ、さらっと失礼なこと言わないでくれる?」
ユーリは不服そうに何か口を挟んできたが、まだ話の途中なので私は無視して言葉を続けた。
「1人になったユーリをルーカスは放っておけなかった・・・。だけどユーリは1度結婚した身。ルーカスと結婚する事はもう出来ない・・・それに、彼は私の事も責任を取らなければと思っていた・・・。だけどユーリを捨てられない・・・悩みに悩んだ彼は、惚れ薬を使って私の事を好きになり、いっそのこと私とユーリ、2人を愛そうと思った」
「ぶほぉっ!!!?」
突然ダンさんが派手に吹き出し、呆気に取られた様にポカンと口を開けて固まった後、驚愕の表情で声をかけてきた。
「え・・・え・・・?どゆこと・・・?ていうか、エリーゼ嬢・・・あなたにとってルーカスはそんな下衆な男に見えるのですか・・・?」
「いいから続けて」
私の話に百面相していたダンさんとは対照的に、ユーリは動じることなく私の話を聞いている。
私はコクリと頷き、ダンさんの問いかけを無視してその先を話し始めた。
「ルーカスはユーリに惚れ薬の計画を話し、ユーリもそれに賛成した。それでルーカスが納得して一緒にいられるならと・・・。でもあなたはルーカスに、惚れ薬を私の前で飲むようにお願いした。私への気持ちは本心ではなく、惚れ薬によるものだと私に知らしめるために・・・。そして、惚れ薬はユーリ名義で送ることにした・・・。ルーカスが送った物を自分で飲むのはさすがにおかしいから・・・」
あの時のルーカスはあくまでも偶然を装うふりをしていた。
今思えば、それもなんだかおかしい話だけど・・・
「そ・・・そこをおかしいと思う余力があるなら、エリーゼ嬢のお話は根本的にかなりおかしい事に気付いてくれませんか・・・?」
ヨロヨロとよろけながら、やはり何か口を挟もうとするダンさんは、なんだかここ数分で色が抜けて白くなった気がする・・・っていうか、なんか老けた?
しかし今はそんな事を気にしてる場合ではない。