惚れ薬を飲んだせっかち男爵はとにかく今すぐ結婚したい
 ・・・が・・・唇は触れることなく、次の瞬間、私の体はそのまま勢いよくソファーに押し倒されていた。

 ・・・ん?

 予想していたのと違う展開になり、私はすぐに目を開けた。
 私の目の前には少し陶酔(とうすい)した様子で顔を赤らめ、自分のシャツのボタンを1つ、2つと外し始めたルーカスが・・・ておい。

 なに?あなた女性に手を出すのも早いの?

「ちょ・・・ちょっとぉ!何考えてんのよ!!?」

 私はルーカスを押し退けようと必死に抵抗するが、全く動かない。

「既成事実を作って結婚するしかないと考えている」

 え、なにそのさっさとヤッちゃって結婚しちゃおう発言は。
 ゲス過ぎん?ゲスなの・・・?

「はあ!!?なんでそうなるのよ!!」

「こういう事は早い方がいい」

「良くないわ!早すぎるわよ!!」

 いくら惚れ薬で好きになったとはいえ、順序ってもんがあるでしょうが!!
 さっきの惚れ薬に媚薬でも混じってたの?
 ・・・そういえば惚れ薬って媚薬のことも言うのよね・・・え、媚薬だったの・・・?

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