惚れ薬を飲んだせっかち男爵はとにかく今すぐ結婚したい
俺はエリーゼの膝の上に置いてある彼女の手を、上から包み込むようにギュッと握った。
「エリーゼ・・・明日・・・いや、今から式を挙げよう・・・すぐに教会に行って神に誓いを立てよう」
「ちょっと待てぃ!!」
エリーゼの渾身の叫びを聞いて、少しだけ頭が冷静さを呼び戻した。
エリーゼはゆっくり息を吐き出すと俺と目を合わせ、真剣な表情で語りかけてきた。
「ルーカス・・・惚れ薬による効果は一時的なはずよ?もしも今の気持ちのまま結婚したとして・・・惚れ薬の効果が消えた時に、後悔するのはあなたなのよ?」
・・・惚れ薬の効果は・・・一時的・・・?
エリーゼのその言葉に目の前が真っ暗になった。
惚れ薬に効果時間があるとは考えていなかった・・・。
ユーリはその事について何も言わなかった・・・いや、ユーリの事だからわざと隠していた可能性が高い・・・。
となると・・・エリーゼが俺を好きだという気持ちもいずれ・・・無くなってしまうのか・・・?
もしもこのまま彼女と結婚したら俺は後悔・・・ん?
何故だ・・・?
何故俺が後悔する・・・?
この場合、後悔するのはエリーゼの方じゃないのか?
「・・・ならば、エリーゼは後悔しないのか?」
「へ・・・?」
俺の問いかけに、険しかったエリーゼの表情はゆるみ、目を丸くして「なんでそんな事聞くの?」と言いたげにこちらを見ている。
「わ・・・私は・・・別に後悔なんて・・・」
「そうか。では今すぐ結婚しよう!」
エリーゼの言葉に俺の不安など一気に消し飛んだ。
何故俺が後悔するなんて心配したのかはよく分からないが、エリーゼのことだから何かおかしな勘違いをしているのかもしれない。
俺としてはエリーゼが後悔しないと言うならば、この結婚にはメリットしかない。
というか、もう結婚する以外の選択肢がない。
祝福の鐘の音が頭に響き渡る中、俺は再びエリーゼの両手を包み込む様に握った。
エリーゼの瞳は少し潤んでいて、このまま泣いてしまうのではないかと思い、俺は顔を近付けて確認しようとした。
エリーゼとの顔が至近距離まで縮まり、思わずそのぷっくりとした赤い実のような唇に目が止まった。
このままその誘惑するような唇を奪ってしまおうかという衝動に駆られたが、ぷいっと顔を思い切り逸らされてしまった。
「いや、だからルーカスが後悔するんだってば!」
いや、だから何故俺が後悔する・・・?
たった今エリーゼと口付けをするチャンスを逃してしまった事には後悔しているが・・・。
何かと葛藤する様なエリーゼの手を、俺は大事な宝物のように愛しく見つめた。
「大丈夫だ。何を後悔する事がある?たとえ離婚したとしても、エリーゼがその後結婚する事が出来なくなれば、結婚相手を消す必要が無くなる。俺にはメリットしかない」
おっと・・・俺としたことが、言わなくても良い情報まで言ってしまったな・・・。
俺の言葉を聞いたエリーゼは、怪訝そうにこちらの様子を伺っていた。
「エリーゼ・・・明日・・・いや、今から式を挙げよう・・・すぐに教会に行って神に誓いを立てよう」
「ちょっと待てぃ!!」
エリーゼの渾身の叫びを聞いて、少しだけ頭が冷静さを呼び戻した。
エリーゼはゆっくり息を吐き出すと俺と目を合わせ、真剣な表情で語りかけてきた。
「ルーカス・・・惚れ薬による効果は一時的なはずよ?もしも今の気持ちのまま結婚したとして・・・惚れ薬の効果が消えた時に、後悔するのはあなたなのよ?」
・・・惚れ薬の効果は・・・一時的・・・?
エリーゼのその言葉に目の前が真っ暗になった。
惚れ薬に効果時間があるとは考えていなかった・・・。
ユーリはその事について何も言わなかった・・・いや、ユーリの事だからわざと隠していた可能性が高い・・・。
となると・・・エリーゼが俺を好きだという気持ちもいずれ・・・無くなってしまうのか・・・?
もしもこのまま彼女と結婚したら俺は後悔・・・ん?
何故だ・・・?
何故俺が後悔する・・・?
この場合、後悔するのはエリーゼの方じゃないのか?
「・・・ならば、エリーゼは後悔しないのか?」
「へ・・・?」
俺の問いかけに、険しかったエリーゼの表情はゆるみ、目を丸くして「なんでそんな事聞くの?」と言いたげにこちらを見ている。
「わ・・・私は・・・別に後悔なんて・・・」
「そうか。では今すぐ結婚しよう!」
エリーゼの言葉に俺の不安など一気に消し飛んだ。
何故俺が後悔するなんて心配したのかはよく分からないが、エリーゼのことだから何かおかしな勘違いをしているのかもしれない。
俺としてはエリーゼが後悔しないと言うならば、この結婚にはメリットしかない。
というか、もう結婚する以外の選択肢がない。
祝福の鐘の音が頭に響き渡る中、俺は再びエリーゼの両手を包み込む様に握った。
エリーゼの瞳は少し潤んでいて、このまま泣いてしまうのではないかと思い、俺は顔を近付けて確認しようとした。
エリーゼとの顔が至近距離まで縮まり、思わずそのぷっくりとした赤い実のような唇に目が止まった。
このままその誘惑するような唇を奪ってしまおうかという衝動に駆られたが、ぷいっと顔を思い切り逸らされてしまった。
「いや、だからルーカスが後悔するんだってば!」
いや、だから何故俺が後悔する・・・?
たった今エリーゼと口付けをするチャンスを逃してしまった事には後悔しているが・・・。
何かと葛藤する様なエリーゼの手を、俺は大事な宝物のように愛しく見つめた。
「大丈夫だ。何を後悔する事がある?たとえ離婚したとしても、エリーゼがその後結婚する事が出来なくなれば、結婚相手を消す必要が無くなる。俺にはメリットしかない」
おっと・・・俺としたことが、言わなくても良い情報まで言ってしまったな・・・。
俺の言葉を聞いたエリーゼは、怪訝そうにこちらの様子を伺っていた。