惚れ薬を飲んだせっかち男爵はとにかく今すぐ結婚したい
「ここにはよく来るの?」
「・・・ああ、コールの水飲み場もあるし、時々休ませている」
ルーカスの言葉に反応するかのように、コールがブルルッと唸る声が聞こえた。
「コールもお疲れ様。乗せてくれてありがとう」
私はここに来るまでの1番の功労者であるコールの背中をそっと撫で、労いの言葉をかけた。
せっかちな彼の事だから、てっきり休みも与えずに走らせているのかと思っていたけど・・・良かった・・・少し見直した。
水を飲み終えたコールは、くるりと方向を変えると、今度はそこに生えている草を食べ始めた。
・・・そういえば、私は朝ごはんを食べてきたけど、ルーカスは食べてきたのかな?
「ねえ、ルーカス。朝ご飯は食べたの?」
そう話しかけながら、私は腰に括り付けていた革袋を開け、その中から紙に包まれたある物を取り出した。
「ああ・・・少しだけな・・・」
私は手に持っていた紙を広げると、中から少し不格好で所々焦げているクッキーが姿を現した。
実は昨日の夜に作っていたのだけど、すっかり食べ忘れていたので、森の中で食べようと思って持って来ていた。
その中身の不格好さから、一瞬躊躇ったが、首都まであと1時間もある・・・少しはお腹の足しになってくれれば良いのだけど・・・
私は意を決してルーカスの前に、そのクッキーを差し出した。
「・・・ああ、コールの水飲み場もあるし、時々休ませている」
ルーカスの言葉に反応するかのように、コールがブルルッと唸る声が聞こえた。
「コールもお疲れ様。乗せてくれてありがとう」
私はここに来るまでの1番の功労者であるコールの背中をそっと撫で、労いの言葉をかけた。
せっかちな彼の事だから、てっきり休みも与えずに走らせているのかと思っていたけど・・・良かった・・・少し見直した。
水を飲み終えたコールは、くるりと方向を変えると、今度はそこに生えている草を食べ始めた。
・・・そういえば、私は朝ごはんを食べてきたけど、ルーカスは食べてきたのかな?
「ねえ、ルーカス。朝ご飯は食べたの?」
そう話しかけながら、私は腰に括り付けていた革袋を開け、その中から紙に包まれたある物を取り出した。
「ああ・・・少しだけな・・・」
私は手に持っていた紙を広げると、中から少し不格好で所々焦げているクッキーが姿を現した。
実は昨日の夜に作っていたのだけど、すっかり食べ忘れていたので、森の中で食べようと思って持って来ていた。
その中身の不格好さから、一瞬躊躇ったが、首都まであと1時間もある・・・少しはお腹の足しになってくれれば良いのだけど・・・
私は意を決してルーカスの前に、そのクッキーを差し出した。