惚れ薬を飲んだせっかち男爵はとにかく今すぐ結婚したい
7:ドレスを買ってあげたい(前編)(ルーカスside)
――――6年前、大切な人を守るための力も、富も名誉も全て手に入れた俺は、ずっと念願だったエリーゼを迎えに行くために彼女の元へ訪れた。
エリーゼと直接会うのは、俺達が狼に襲われた時以来だった。
首都へ行く前に、エリーゼに一目会いたかったが、彼女はまだ静養中で会うことは叶わなかった。
俺の方も、どうしても首都へ行く日を遅らせることが出来なかった。
だから、俺は知らなかったんだ。
エリーゼがあの時、小指を失った事を・・・。
だから俺は小指を失った彼女を見て、考えていたプロポーズの言葉が消え失せ、頭の中が真っ白になってしまった。
エリーゼに消えない傷を残させた俺が、彼女を幸せにすることなど出来るのか・・・。
しかし彼女を他の誰かに奪われる事だけは我慢できなかった。
そんな自分勝手な気持ちが、俺にこの最低な言葉を言わせることになった。
「エリーゼ・・・この傷の責任を取らせてくれ・・・」
その言葉を聞いた時の彼女の傷付いた表情は、今も忘れられず、俺の脳裏に焼き付いている。
エリーゼと直接会うのは、俺達が狼に襲われた時以来だった。
首都へ行く前に、エリーゼに一目会いたかったが、彼女はまだ静養中で会うことは叶わなかった。
俺の方も、どうしても首都へ行く日を遅らせることが出来なかった。
だから、俺は知らなかったんだ。
エリーゼがあの時、小指を失った事を・・・。
だから俺は小指を失った彼女を見て、考えていたプロポーズの言葉が消え失せ、頭の中が真っ白になってしまった。
エリーゼに消えない傷を残させた俺が、彼女を幸せにすることなど出来るのか・・・。
しかし彼女を他の誰かに奪われる事だけは我慢できなかった。
そんな自分勝手な気持ちが、俺にこの最低な言葉を言わせることになった。
「エリーゼ・・・この傷の責任を取らせてくれ・・・」
その言葉を聞いた時の彼女の傷付いた表情は、今も忘れられず、俺の脳裏に焼き付いている。