惚れ薬を飲んだせっかち男爵はとにかく今すぐ結婚したい
「ねえ、ルーカスはユーリと会うことはあるの?」
「ああ・・・。たまにな。ユーリの旦那が俺の屋敷で働いているからな」
「え!?そうなの!!?ねえ、旦那さんってどんな人なの?」
あのユーリと結婚した男性・・・どんな人かはずっと気になっていた。
私と同い年のユーリは村の奇跡とも言われた美少女で、性格には若干の難ありだったが、同年代の男の子達はみんなユーリに惹かれていた。
18歳になった彼女には、噂を聞きつけた首都の貴族達から恋文が次々と送られてきたが、将来の旦那は自分で探すからと、首都に住む叔父さんの家へ引っ越していった。
彼女の事だから、すぐに相手が見つかるだろうと思っていたけど、まさか結婚の知らせが来るまで9年もかかるとは思わなかった。
結婚式の招待状は届いたけど、私は出席しなかった。
首都の男性は、女性の手の甲にキスをする挨拶があるから・・・。
私が首都へ行くのを躊躇する原因の一つの行為だ。
手袋をしているとはいえ、私のその不自然な小指に気付く人はいるだろう。
「・・・エリーゼが他の男に興味を持つのは気に入らないな」
気付くと、ルーカスは拗ねる様に顔をしかめていた。
「え、いや・・・ユーリの旦那さんでしょ・・・?変な意味じゃないわよ?」
「だとしても気に入らない」
ルーカスは身を乗り出し、その手で私の顎をくいっと持ち上げ、真剣な顔で私の瞳を見据えた。
「この瞳に他の男の姿が映るのも許せない」
・・・・・ぐぅぅぅ。
やめてやめて、もたれる・・・胃がもたれるううううう!!
いや・・・好きだよ!!そういうセリフ!!大好きなんだけども・・・!!
ルーカスの嫉妬する様な瞳に見つめられ、私は瞬きするのも忘れて石化したかのように動けない。
いっそのこと私の意識も石化させて・・・!!
「・・・お待たせしました・・・」
その声にハッとして振り返ると、店員さんが気まずそうに震えながら料理を持っていた。
私はルーカスの手から離れ、椅子に座ったまま縮こまった。
店員さんは何も言わずに暗い顔をしながら料理をテーブルに並べていく。
「ちっ・・・もう少しゆっくり持ってくればいいものを・・・」
「・・・どの口が言うの・・・?」
ルーカスの言葉に私は小さくツッコミを入れたが、私はすぐに目の前に置かれたパンケーキの姿に目を見張った。
思ったよりも分厚いそのパンケーキは2枚に重ねられ、フルーツやクリームで可愛くデコレーションされている。
それは先程見た豪華なドレスや宝石にも劣らない程キラキラして見えた。
私はそれを使い慣れないナイフとフォークでなんとか1口サイズに切り取り、口に含んだ。
想像以上にフワフワな食感と口の中に広がる甘さ、とろけるようなクリームに私は幸せな気持ちに浸った。
その時、私の唇をルーカスが親指で拭った。
どうやら唇についていたクリームを取ってくれたらしい。
その指に付いたクリームをルーカスはペロリと舐め、フッと笑った。
「甘いな」
その仕草に私は頭が破裂しそうになるほど熱くなり、その熱でこのクリームの様に脳がとろけるんじゃないかと思った。
・・・あんったが1番甘いわ・・・ぁぁ・・・!!
私の胃が悲鳴を上げながら溶けていく感覚に襲われながら、私はしばらく身悶えていた。
「ああ・・・。たまにな。ユーリの旦那が俺の屋敷で働いているからな」
「え!?そうなの!!?ねえ、旦那さんってどんな人なの?」
あのユーリと結婚した男性・・・どんな人かはずっと気になっていた。
私と同い年のユーリは村の奇跡とも言われた美少女で、性格には若干の難ありだったが、同年代の男の子達はみんなユーリに惹かれていた。
18歳になった彼女には、噂を聞きつけた首都の貴族達から恋文が次々と送られてきたが、将来の旦那は自分で探すからと、首都に住む叔父さんの家へ引っ越していった。
彼女の事だから、すぐに相手が見つかるだろうと思っていたけど、まさか結婚の知らせが来るまで9年もかかるとは思わなかった。
結婚式の招待状は届いたけど、私は出席しなかった。
首都の男性は、女性の手の甲にキスをする挨拶があるから・・・。
私が首都へ行くのを躊躇する原因の一つの行為だ。
手袋をしているとはいえ、私のその不自然な小指に気付く人はいるだろう。
「・・・エリーゼが他の男に興味を持つのは気に入らないな」
気付くと、ルーカスは拗ねる様に顔をしかめていた。
「え、いや・・・ユーリの旦那さんでしょ・・・?変な意味じゃないわよ?」
「だとしても気に入らない」
ルーカスは身を乗り出し、その手で私の顎をくいっと持ち上げ、真剣な顔で私の瞳を見据えた。
「この瞳に他の男の姿が映るのも許せない」
・・・・・ぐぅぅぅ。
やめてやめて、もたれる・・・胃がもたれるううううう!!
いや・・・好きだよ!!そういうセリフ!!大好きなんだけども・・・!!
ルーカスの嫉妬する様な瞳に見つめられ、私は瞬きするのも忘れて石化したかのように動けない。
いっそのこと私の意識も石化させて・・・!!
「・・・お待たせしました・・・」
その声にハッとして振り返ると、店員さんが気まずそうに震えながら料理を持っていた。
私はルーカスの手から離れ、椅子に座ったまま縮こまった。
店員さんは何も言わずに暗い顔をしながら料理をテーブルに並べていく。
「ちっ・・・もう少しゆっくり持ってくればいいものを・・・」
「・・・どの口が言うの・・・?」
ルーカスの言葉に私は小さくツッコミを入れたが、私はすぐに目の前に置かれたパンケーキの姿に目を見張った。
思ったよりも分厚いそのパンケーキは2枚に重ねられ、フルーツやクリームで可愛くデコレーションされている。
それは先程見た豪華なドレスや宝石にも劣らない程キラキラして見えた。
私はそれを使い慣れないナイフとフォークでなんとか1口サイズに切り取り、口に含んだ。
想像以上にフワフワな食感と口の中に広がる甘さ、とろけるようなクリームに私は幸せな気持ちに浸った。
その時、私の唇をルーカスが親指で拭った。
どうやら唇についていたクリームを取ってくれたらしい。
その指に付いたクリームをルーカスはペロリと舐め、フッと笑った。
「甘いな」
その仕草に私は頭が破裂しそうになるほど熱くなり、その熱でこのクリームの様に脳がとろけるんじゃないかと思った。
・・・あんったが1番甘いわ・・・ぁぁ・・・!!
私の胃が悲鳴を上げながら溶けていく感覚に襲われながら、私はしばらく身悶えていた。