優しく残忍な人。
こんなに純粋な方に

人を疑う事を教えるなんて。

「私もです。」

私はお千代さんに言った。

裏切りが多い時代に

私は人を斬らなければならないのに。

私は嘘を重ねなければならない。

この純粋な目を守るために。

「良かった·····!」

お千代さんは笑顔でそう言った。

少しだけ胸が苦しいのは

気の所為でありたいですね。

「行きましょう。」
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