優しく残忍な人。
黒猫は団子を咥えると

あっという間に逃げていった。

「行ってしまいましたね。」

私が言うと総司さんは立ち上がった。

「私達もそろそろ行きましょうか。」

楽しい時間はあっという間。

「ゆきちゃんは…」

「後で帰します。

せっかくなら平助と

いたいでしょう?」

総司さんは気づいていた。

なら私の気持ちにも

気づいてくれたらいいのに。
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